1 天国はまだ遠く / 瀬尾まいこ
◎あらすじ◎(Wikipediaより)
仕事も人間関係もうまくいかず、息が詰まりそうな辛い毎日に疲れた千鶴は、会社を辞めて死ぬことを決意し、北へ向かう特急電車に乗った。そして辿り着いた山奥の民宿たむらで、大量の睡眠薬を飲むのだが、死に切れなかった。自殺を諦めた彼女は、民宿の主人・田村の大雑把な優しさに少しずつ癒されていく。大らかな村人や大自然に囲まれた充足した日々を送る中で、しだいに千鶴は自分の居場所がここにないことに気づいてしまう。
◎この本を手に取った理由◎
田舎暮らしを始めて数ヶ月、なぜだか急に活字を追いたくなりました。
おそらく、ゆっくりゆっくり過ぎていく日常に焦っていたのだと思います。
でも、せっかく読書を始めるなら三日坊主で終わらせたくない。
そこで、昔読んでとても心に残った「卵の緒」の作者 瀬尾まいこさんの本から始めようと考えました。
この本の主人公は、毎日が嫌になってどこか遠くへ行ってしまいます。
当時のわたしも彼女と同じようにどこか遠くに行きたくて、でも現実的にはそれができそうになかったので、この本にその思いを託したかったのだと思います。
◎記録◎
生きていることが嫌になり、あてもなく特急電車に乗り、たどり着いたのは山奥の民宿たむらだった。
その場所は自然に溢れていて、食べるものや見える景色全てが新鮮。
今まで同じものを食べ、見てきた時にはボンヤリしていた何かがハッキリしていく日々。
きっとこの生活を続けていたら、豊かな人間になれるんだろうと思うけども、結局は居場所がないということに気づいていく。
ずっとそこに住むたむらと、週末だけ山に来るパン屋のおばさん、そして主人公の千鶴、出てくる登場人物によってそれが対比されていたと思う。
生きる場所は、人それぞれによって違うということ。
でも、置かれている環境があまりに自分にとって辛いのなら逃げてもいいと思った。
印象的だったたむらの言葉。
ー命を手にすると、神を感じてしまうねんなー